先日、お客様からこんなご注文をいただきました。3年前に孫さんのベビーの掛け布団
(サイズ114cm×140cm、中身は絹100%国産近江手引き真綿) が小さくなってきたので
中の真綿をそんなに使ってないので、大人サイズ肌ふとんに引っ張っぱり直せないか、
ベビーの側は使わないけど、30数年前に作った正絹どんす婚礼ふとんの絹100%裏地をほどいて洗って使えないか
というご注文でした。ベビーサイズの真綿の中身を大人サイズまで、引き直そうと思うと、お客様が考えているほど簡単なことではありませんが、根気に各層を順番に引っ張ていくしかありません。
夏前に注文をお受けしませたので、9月末までにと少しづつコツコツとやってきましたが、
どうしても大人サイズまで引っ張り出せません。
お客様に連絡して、新しい真綿をほんの少し追加させていただくことをご了解いただき
どうにか大人サイズにまで出来上がりました。
今回のご注文をお受けした、作っていて思いましたがこのお客様の考えは正しかったですね。ほとんど使ってない三十数年前の婚礼ふとんの正絹裏地は質が良く
(お値段もかけてみえますけども)、捨てるのももったいない。何かに活かせないか?と思うのは昭和二十年代、三十年代前半生まれの方だったら思いますよね。またお孫さんのベビーの真綿掛け布団は、
本当に少しの間しか使ってなかったのでたしかに、真綿が劣化してないし、固まってないのでもう一度引き直したら十分復元いたします。今までこんな仕事は手間がかかり、あまりお受けいたしてませんでしたが、今は作る仕事もだんだん少なくなり、既製品が多くなりましたので、わたしの方が時間的に余裕ができ、出来る範囲でお受けいたしております。